真っ赤な百合

市場で買った百合を
お店に飾るために半分置いて
もう半分の二本を
家に持ち帰る
途中で
いつも手縫いの
小物やマスコットをくれる
ご近所の奥さんが
曇り空で手のひらを上にして
雨を確認しているところに
出会って

いつもお世話になっているなと
気を遣わせないように
たくさんあったので
市場でもらってきた百合ですが
一本どうですかと言って
見せて
少し悩んだけれど
たくさん花がついている方が
次々と咲いて長く楽しめるし
ボリュームもあって素敵だし
たくさん花がついている方を
差し上げたら
ぱあっと笑顔が咲いて
たくさん花がついているから
途中で切って二本にしても
いいですよねと言ったけれど
ううん
このままたくさん咲くのを
眺めたいから
床の間に
長いまま飾るわと
うれしそうに
家に入っていった

残った私の一本の百合は
花が二つしかついていないけれど
照れくさそうに真っ赤になった
花が咲くと思う
できるだけ長く切って
細長い花瓶に活けた

 

加工写真:とよよん

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