田中宏輔さんに密着?京都詩人会

5月10日、日曜日でした。京都詩人会へ初参加するために京都へ。

以前からずっと憧れていたのでした。アットホームな感じが良いなと思った(第5回京都詩人会のお花見連詩)のと、「言葉は生きているか」を追求するための魔術詩人たちの言語実験をこっそりのぞきたい(第2回京都詩人会第3回京都詩人会は、その詩作の手法、出来上がった詩作品ともに衝撃的だった)のと。そういうわけでしたので、自分も詩作に参加できるなんて夢のようでした。

一緒に今回、初参加した、こひもともひこさんは、田中宏輔さんに既に何度かお会いしたことがあったので、お話をうかがいながら会場へ向かいました。

私が田中宏輔さんにお会いするのは、これが初めてでした。到着したとき、ラッキーなことに、まだほかの方はいらっしゃってなかったので、ここぞとばかりに、鼻息荒く、取材しました!

まずはこれ。田中さんがお気に入りの表紙の本を持って来てくださっていて、見せてくださいました。

    

田中さんは本がお好きで、ご自宅は本でいっぱいのようですが、表紙の絵を堪能されるのもお好きです。写真の本は、クリアファイルを切ったような素材で一周くるまれていいます。この状態で表紙をこちらに向けつつ、気に入ったものを本棚に飾るそうです。本屋さんのディスプレイのようで素敵です。

また、ご自分で描かれた、個性的なイラストも見せていただきました。
  

お餅がだらっとした感じのがすごく味があって良いです。真ん中に並べさせていただきました。

また、今回、全行引用詩の作成過程で渋柿のように連なったメモを拝見させていただきたかったのですが、すでに処分されたとのことでした。すると、現在使用中のメモを見せてくださいました。

  

細長い用紙に、ページ数やメモを書き、それを写真のように長く一列につなげるそうです。この後、ルーズリーフに書き残し、後で情報として取り出しやすくしてから、項目別に保管されるそうです。これは確かエズラ・パウンド作品に関するメモだったと記憶しています。情報量が多くて、ことさら長いメモになっているようでした。

「一期一会」の額をバックに。ぜひ次回の詩集の表紙撮影のご用命は私に!!!良いお顔♪

  

そうこうしているうちに詩人会メンバーがそろい、詩作がはじまりました。今回は、家族や恋人など親しい人との思い出を出し合って、その言葉を引用して詩を作りました。

内野里美さんの思い出が面白すぎて、そのまま作品にしたいくらいでした。森 悠紀さんの思い出は、どうしてそうなっちゃったの?というものもありつつ、それある!と思う日常的なものもありでした。大谷良太さんのは、都会的な小説のワンフレーズを抜き出したかのようで。田中さんの思い出は、やはり強烈ですごかったです。こひもともひこさんは全て、船乗りをされたことのある豪放磊落なお父さんに関するもので、濁点や片仮名の多い、引用すると生き生きとした作品ができそうな、大阪人的サービス精神溢れるものでした。私の思い出もなかなかの人気でした。

実際の作品についてはこちら→ 第6回京都詩人会ワークショップ・共同作品 

自分の思い出が他人によって書き換えられることや、他人の大切な言葉を使って詩を作ることにより生じる、自分の中での言葉の意味への揺さぶりを感じることがねらいでした。実際に詩作してみると、自分の出した思い出の言葉も使用して良いのにも関わらず、目が行くのは他のメンバーの言葉ばかりであったことがとても不思議でした。

言葉は生きているかなとふと考えたのですが、思い出を表している時点で既に過去のものという視点から見れば「死んでいる」であろうし、今まで印象に残っている強い思いがあるだけに今もなお「生きている」とも言えるし、詩作品は現在形のものは生きていて過去形は死んでいるかな、それとも時制は関係なく生き生きとしているものは生きているのかなとか、新たな作品に使われて新しい意味づけを与えられて新しく生きているともいうべきかななどと朧げに思考は巡り。すぐに答えが出るものではないようで、だからこそ面白いテーマだなと思います。

作品は、田中さんとこひもさんのものは、私は思わず吹き出してしまったのですが、他のメンバーは落ち着いていました。笑いの個人差を感じました。田中さんによれば、エロスに通じるらしい……。

詩人会の後の、お楽しみ♪ あの!えいちゃんがいる!!アツスケタナカファンの聖地ともいうべき!!!焼き鳥がおいしい!!!!冷たい生ビールが待っているであろう!!!!!「日知庵(にっちあん)」 へ!!!!!!

  

  


両手に美男。この笑顔。
お店の前で記念写真を撮っていただきました。私は背が低い方です。左がこひもともひこさん、右が田中宏輔さんです。お二人とも大柄で迫力です。

  

さて、店内。左は歌舞伎役者似の大谷良太さん、右は!えいちゃん!!です!!!あの!えいちゃんですよ!!!!!上出英司さんです。彼の料理が食べられて幸せでした。味は京都なので薄味を想像しておりましたが、味のアクセントがしっかりあって、ビールに合いました♪ 田中さん曰く、えいちゃんによれば、美味しい料理は味が濃いとのことです。なるほど実感でした。ところでこうしてみると、写真より実物のご本人の方がかっこいいです。雰囲気や声もあるかもしれません。真ん中は言うまでもなく、我らの宏輔さんですよー!

カウンターのところのえいちゃんコーナー。ジャミラやダルマに、おむすびマン。笑顔のまぶしい似顔絵のイラストもありました。

  
えいちゃんとお話ししていると、オフレコかもしれませんが、田中作品に登場するえいちゃんは二人いるということが分かってしまいました。木歩さんをかついで「●凍れ!●火の丘よ!」(「Over The Hills And Far Away。」)のかっちょいいえいちゃんファンだったのですが、その、ご本人の方でした。感激ひとしお。

えいちゃんはかっこいいので、私が編集した田中作品を楽詩(たのし)める「楽詩TaNoShi」のことをご存知で、ご覧いただけて、さらにお店に数部おいていただけました。

えいちゃんは男前で、田中さんは最初会ったとき、感情の全くない人だったと教えて下さいました。

私が今回お会いした田中さんは表情豊かで、気配りのできる温かな方なので、とても信じられないのですが、田中作品の多くが実際の経験に基づくことから考えても、波乱の人生を歩まれてきたのだと思いました。そしてそれをまるで悲劇に思うわけでもなく、さらりと題材にしていらっしゃる。多くの人が、私はこんなに不幸なの!同情して!というメッセージを発しがちな病んだ社会で、それをまるで行わず、自分の人生を等身大のものとして第三者的に観察して、受け止めて、ただただ歴史、世界を視野に熱く詩作している、そんな印象。だからこそ田中作品は、エンタテインメント足りうるのでしょう。


田中さんのこれまでに出された詩集、「Wasteless Land」のシリーズの中からをいくつかを拝見した
のですが、とても贅沢な作りでした。たいていの詩集は、秀作の寄せ集めのようになりがちで、内容は編集者の意向に左右されるイメージがありますが、対して田中さんの詩集は、ご自分の表現したいものをほぼそのままふんだんに、贅沢に詩集にしていらっしゃいました。詩人としての人生を、ご自分のペースで歩まれている印象でした。

たくさん食べて飲み、喋り、笑い、帰る時間があっという間に来てしまいました。大谷さん、田中さんの順に固く握手を交わし、再会を約束し、帰途につきました。

ネット上であれば、これまでリアルタイムでともに詩作する場面はいくつもありましたが、私は、実際に詩人と会い、詩作するのは初めての体験でした。顔を見ながら詩作するというのはきっと萎縮したり、緊張してしまうものなのではと思っていたのですが、詩人会の気さくな雰囲気もあって、リラックスし、集中して取り組めました。時間の経つのがあっという間。貴重な学びと制作の時間となりました。

  

そして京都タワーに見送られながら、これまでの私のイメージとまるで違うその日の京都を思い出しつつ、京都駅を発ったのでした。

田中宏輔さんに密着?京都詩人会” への2件のフィードバック

  1. あつすけです。京都詩人会の様子、ご紹介くださり、ありがとうございます。楽しい一日でしたね。また、ぜひ京都詩人会のワークショップにご参加ください。
    1. 詩人会のワークショップは刺激的で、日知庵もとても楽しく、田中さんのお人柄や環境、作品に迫ることができました。快くいろいろ教えてくださり、ありがとうございました。また参加させていただきたいです。

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