詩紙魚 投句集

三島ちとせ氏主催のメール句会「月詠の会」、ツイッターの俳句バトル 、アダノンキで開催されるカガヤさんの麦酒句会、せつない句会への俳句のアーカイブ集です。新しいものが上です。

俳号「 詩紙魚(しじみ)」です。海の仲間です。ん?川の仲間か?それとも虫?

 

 

たんぽぽの綿毛飛ばすや膨れほほ

啓蟄や柱に虫の当たる音

につこりと苺大福此方見る

土中にて広ごる地獄つくづくし

引き鴨や微笑むやうな川面かな

月詠の会 第三十一夜 2017年3月

 

紅椿舗装道路のうえに咲く

他人とは月に似ておりミモザ咲く

びっしりとひしめくもふもふ猫柳

堕天使の覗く水面黄水仙

ちりぢりにさよならをして桜かな

月詠の会 第三十夜 2017年2月

 

贅沢や年末手当で買うプリン

鰤あれば親子三代集まれり

給食の鯨の響き懐かしむ

若狭ぐじ水族館に泳ぎをり

口を開け応援のポーズまながつお

月詠の会 第二十九夜 2017年1月

 

おでんには蟹入るらし北の街

土手鍋に胸熱くなり冬ビール (テーマソング:小林旭「熱き心に」)

鴨今宵グラス安らぐヒヨコもか
(かもこよひぐらすやすらぐひよこもか)回文俳句

第7回 麦酒句会

 

字題「変」

雪時雨強張ってしまう変な顔


テーマ題「抱負」

初景色等身大の背伸びする

 

季題「蜜柑」

一年の悪事滲むや蜜柑の手

 

自由詠

餅焼くや一昨年開けた醤油かな

新春 俳句バトル

 

風邪気味や三年前の薬見る

十二月自由は苦く熱きもの

年賀状百通束ね冬日和

年一度使う置き物クリスマス

めくられず二月残る古暦

月詠の会 第二十八夜 2016年12月

 

じっとりと濡れて固まる枯葉かな

紅葉散る先の視線にふと気づく

風冴ゆる内緒話の長くなり

緩らかに潜る暖簾や冬浅し

銀杏の爆ぜを堪えるレンジかな

月詠の会 第二十七夜 2016年11月

 

柿割れば宇宙の誰かと遭遇す

芳香を蝶に嫌われ金木犀

エナメルの靴の輝き唐辛子

秋茄子や冷蔵庫のものつまみ食う

十六夜やキムチ炒飯には卵

月詠の会 第二十六夜 2016年10月

 

菓子盆に洋菓子並ぶ月見かな

さわさわと秋桜ゆれる胸の園

送らずに消すメッセージ蚯蚓鳴く

夕飯の品定まらず秋の宵

縺れたる足取り聞こゆ夜半の秋

月詠の会 第二十五夜 2016年9月

 

新米や待ち()けを食う若き妻

せつない句会 2016/9/11

 

お仕舞いにする日のカンパリソーダ

せつない句会 2016/9/13

 

「風」

路地裏の野良丸くなる素風吹く

 

「夏休み」

夏終わり運動靴のきつくなり

 

「鹿」

潤ませる黒き実りや鹿の顔

仲秋 俳句バトル

 

白桃の内に炎を隠しをり

天気雨花火への道潤しぬ

辿り着くソースの香り盆の月

盆東風に向けるばかりの背中かな

鮎落ちて夏の滑りの残りたり

月詠の会 第二十四夜 2016年8月


泳がずに浮き輪の舟に揺れる海

ピクルスのための胡瓜や糠の床

五月雨に太陽はなくトマトピザ

ハイボール口説く浴衣や旅の宿

西日射す車の黒きボンネット

月詠の会 第二十三夜 2016年7月

 

太陽に戸を固く閉じ蝸牛

あした咲く月下美人のめらめらと

水のつく見合いの席の麦茶かな

六月や結ぶ手と手にこもる熱

とけこんだ果実をあてる一夜酒

月詠の会 第二十二夜 2016年6月

 

数えつつ噴水池の縁に待つ

麦の秋たなびく犬の長き耳

永き日や赤き実の皮細く剥く

飛行体ミルクセーキを振る容器

蟻長しマロニエの花咲く小径

月詠の会 第二十一夜 2016年5月

 

選ばない赤白黄色いチューリップ

花冷えや着ていくものを間違える

悩みありて首を垂れるヒヤシンス

ままごとの勿忘草や空き地の野

群れて咲く末枯れた庭のフリージア

月詠の会 第二十夜 2016年4月

 

【ビールあるいはビールに合うつまみ】

春の水七味あられに盗まるる

アダノンキでは「お水ください」というと泡立った金色の水が出されるという言い伝えがある。

【花(桜)】

泡らんまん桜月夜のこそばゆし

お花見の夜、ビールの泡も桜も光り輝く。ふわふわの泡が口元にこそばゆく、散った花びらがビールの泡の上に乗っているのもこそばゆそうだ。

【卒業】

深酒やわが身世にふり卒業す

歳をとり深酒できないからだとなった。小野小町の百人一首の歌「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」の本歌取り。

第6回 麦酒句会(解説つきで提出)

 

主なく縁のかけたる燕の巣

春の日や葛をつかひし菓子の肌

はつ桜知るやいづれも散りゆくを

春半ばやはらかに落つ雨しづく

髪かざり隠し持つらむ春疾風

月詠の会 第十九夜 2016年3月

 

猫の恋屋根より落ちて声細く

畔焼くや花のかそけく薫りたり

さん然と建前ばかりの細魚かな

嫁入りの家電なくなり針供養

小蛙の指一本で下がりをり

月詠の会 第十八夜 2016年2月

 

冬帽子ちがふ高さで揃ひたる

初もうで日が変わるころの喧嘩腰

はつ歌かるた歌すらすら歌う子

居酒屋で初夢のなすと再会す

ねんねこの降りしきるなか歩きをり

月詠の会 第十七夜 2016年1月

 

「一」または「1」

人生を一物件にしアロエ咲き

 

「2015年」

冬北斗子ぐま母ぐま乗せ北へ

 

「霰」

黒髪に白く置きたる玉霰

 

「冬の句」

花にんじん笑む四角い箱覗く

 

「自由詠」

雄鮟鱇背中で溶けてなくなりぬ

新年 俳句バトル
イラスト:いらすとや

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