まるまるにんげん(るるりらさん作【おせなかまるいね】の感想)

メビウスリングの詩カテゴリ内での、新川和江さん『記事にならない事件』をアール・デコより読み解くという勉強会に提出された、るるりらさん作【おせなかまるいね】という詩についての感想です。

これは『記事にならない事件』から「変身」をテーマに作られた詩です。

一連目、「拡張現実を手に入れた にんげんのこども」は「せなかをまるめて」います。これは私のイメージですが、拡張現実(バーチャルリアリティ)のゲームで遊びすぎたこどもの背中が曲がり、人間性を失っていき、とうとうまるくなってしまったという印象。

二連目、ここでまたこどもが出てくるのですが、一連目とは違い、通常の園児の様子。そして三連目で変身してしまうのです。「おいものすがた」に。つまり、一連目の「拡張現実を手に入れたにんげんのこども」になってしまうのです。

しかしここで、「すっくとたって」「お母さん みみずいたよ」といい、再び変身します。
ここで一連目に出てきた「せなかをまるめていない」みみずのこどもの姿を思い出します。

みみずはくねくねしています。思うにいつも曲がっていて、せなかをまるめていないというのは不自然に感じます。もしかするとこのみみずは、変身した元にんげんかもしれません。
というのも、みみずのお母さんは人類復活についてブログを書いたから。

言葉遣いが柔らかなので、るるりらさんらしくほのぼのとした印象の詩に見えますが、ここには変身を二回遂げて元に戻ったにんげん(にんげん→いも→にんげん)と、にんげんからみみずに変身してそのままのみみず(元にんげん)が対比的に登場するという、にんげんに戻れたものと戻れなかったもの、どちらにもそこはかとない哀愁が漂う詩でした。

まるまるにんげん(るるりらさん作【おせなかまるいね】の感想)” への2件のフィードバック

  1. 本人です。とりあげてくださってありがとうございます。おちこんでいたときに なにげなく るるりらと検索にかけたら この記事をあたらためて再読し、元気がでましたので、現代詩フォーラムにも 投稿いたしました。
    1. るるりらさん、こちらこそお読みいただき、ありがとうございます。元気になっていただけたなら、本当にうれしいです。

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